すずひらのブログ

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【小説感想】首都感染(高嶋哲夫 著)

高嶋哲夫さんの小説『首都感染』を読んだ。面白すぎて丸一日掛けて分厚い文庫本を一気読みしてしまった。面白すぎたので感想を書いておきたい。

本書の楽しかったポイントは、「利権とか私利私欲ではなくて、1人でも多くの人を救うためだけに行動する正義の人たち」だった。

なんといってもまずは主人公。主人公のステータスがもうすごすぎる。まさにヒーロー。元WHOのパンデミック対応のスペシャリスト・内科医・父親が総理大臣・元妻の父親が厚生労働大臣。どんだけ欲張りなんだ、どれか一つぐらい分けてほしい。

このスーパー主人公の、誇張なく救世主な活躍がなんといっても爽快だ。外では圧倒的な活躍を見せつつ、内面では過去のトラウマがあるってのもいい。ステータスは自分とはまるで違えど、トラウマ部分は同じ人間として感情移入できる。

この主人公の何が凄いかっていうと、自分の信念を貫く勇気なんだよな。天性の頭の良さとかではなく。持って生まれた頭の良さ1本で活躍する人よりも、とにかく信念を貫いて行動しまくった結果活躍する人のほうが見入る。もしかしたら自分もそういうこと出来るんじゃないかって度胸をもらえる。

主人公だけではない。父親の総理大臣も、現実にはまず不可能な前代未聞の大英断を連発する。こんな総理大臣いねーよ!でも読んでて最高に心地良い。この総理大臣と比較されてしまう現実の総理大臣をちょっと不憫に思った。

コロナ禍の現実と重なる部分がたくさんある内容なので、どうしても現実と比較してしまう。特に日本政府の対応。小説内では世界から称賛されるウイルス対応を行った日本政府だけど、現実はというと……。まあ現実には色々とややこしいことがあるからね。

現実で溜まっていたフラストレーションを解消するのにも素晴らしい本だと思う。フィクションでスカッと爽快感を得てエネルギーを充填したあとは、現実は現実として堅実に一つ一つ課題に対応していくしかないんだ。ということで、本書を読んで充填したエネルギーを武器に、明日も仕事頑張ります。